古典嫌いだった大学生が古典を好きになった話【「いき」の構造】
・自己紹介
こんにちは。僕は都内の大学に通う一般の大学生です。名前はMASANORIと言います。
僕は浪人を経て読書が趣味になり、たくさんの本を読んできました。
中でもライフネット生命を立ち上げた出口治明さんや明治大学の文学部教授の齋藤孝さんに影響を受けて古典を読み始めました。
はじめは古典の言葉遣いや書き方が現代の日本人と合わないので読みにくく嫌いだったのですが
「ビジネス書を 10冊読むより、1冊の古典を読んだ方が価値がある」
という出口さんの言葉を信じて、読み続けていたらだんだん好きになってしまいました(笑)
「古典の面白さをみんなに知ってもらいたい」
こういう思いでブログを開設しました。
このブログで古典の面白さを皆さんに発信できたらいいなと思います。
・今回の古典『「いき」の構造』九鬼周造 著
今回、、、といっても初回ですが(笑)
皆さんにおすすめしたい本は日本の哲学者である九鬼周造の著書『「いき」の構造』
この本で学んだことは2つあります。
1.「いき」の構成要素
2.「いき」な色
1.「いき」の構成要素
皆さんは「いき」を言語で説明できますか?
「お、あの人粋だねぇ」とか時代劇や落語なのでよく聞きますが
「いき」って何なんでしょうか?説明しづらいですよね。
また、西洋にも東洋にもない日本独特の「もの」でもあるそうです。
九鬼は「いき」を構造的に説明していました。
彼が言うには、「いき」には3つの構成要素があります。
それは「媚態」、「意気地」、「諦め」です。
一つ一つ簡潔に説明したいと思います。
「媚態」
媚態とは「なまめかしい」「艶っぽい」「色気がある」
という意味です。たしかに「いき」な行動をする人って大人の色気を感じますよね。
逆にいうと「いき」な行動って子供にはできないと思います。
九鬼も「いきは垢抜がしていなくてはならぬ」と述べています。ですから無邪気で純粋な子供にはできないもの、つまり大人しかできないものなのです。
「意気地」
意気地とは武士道精神からできたものです。
例えば「武士は食わねど高楊枝」といったような見栄を張ることです。
良くありませんか?飲み会で後輩に出させずに自分がおごってあげるような場面。
あれも一種の「見栄」であり、「いき」だと思います。
「後輩の前ではいい格好をしていたい」
そういった感情が「いき」な行動を促しているのではないでしょうか。
「諦め」
諦めとは無関心とかさっぱりした感情のことです。
例えば、お金の損得を考えずに顧客に最大限のおもてなしをしてあげること。
日本以外の国では「おもてなしを受けた」分のチップを払わなければなりません。
ですが日本には「チップ」という文化がありません。
なぜか、それは「野暮、無粋」だからではないでしょうか。
「いき」とは損得を考えないでさっぱりとした感情でするものなのです。
2.「いき」な色
次に「いき」な色って何色だと思いますか?
清潔を表す白? 落ち着いた緑色?
いろいろ考えられると思いますが、青色が「いき」な色だと定義しています。
彼が言うには、「いき」は過去を擁して未来に生きている。
つまり、「いき」な色には冷ややかで、諦めのある黒色が混じっているのです。
だから、赤、オレンジなどの暖色系の色には黒味が無いので「いき」ではないらしいです。
・自分の観点
少し僕が「いき」な色がなぜ青色なのか、を考えてみました。
青色というのは様々な種類がありますよね。
藍色、水色、群青色など。
その中でも藍色は昔から日本で親しみやすい色です。
歴史的観点から言っても、藍色が日本で生まれたのは奈良時代。中国から伝わってきたそうです。
そんな藍色が江戸時代になってからはたくさんの綿織物に使われ、庶民から貴族にまで広がりました。
つまり、藍色の衣服や小物を身につけていた日本人が「いき」だから青色は「いき」な色なのではないでしょうか。
現在サッカーの日本公式ユニフォームの色は「サムライブルー」といった藍色です。
だから、私たちは知らず知らずのうちに「いき」な服をまとっているのですね。
・まとめ
いかかだったでしょうか。少し長くなってしまいましたね。
「いき」という言葉を日本人以外の人に説明するとしたら
「色っぽさ、意気地、さっぱりとした態度が詰まっている日本の美的観念」
と説明してみてください。
この本では「いき」だけでなく、「情緒」とは何か?「風流」とは何か?といった日本だけの美的観念が構造的に説明されています。
よかったらぜひ読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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